プロ棋士の三浦弘行九段に対局中の不正行為疑惑。問題の根幹にあるものは

注)追記あり。

 プロ棋士三浦弘行九段に対し、対局中の不正行為があったのではないかとされる疑惑が各所で報じられている。三浦九段は棋界最高位である竜王戦の挑戦者に決定していたが、この騒動によって三浦九段は出場を辞退し、丸山忠久九段が繰り上げ挑戦者となることが発表された。

www.sankei.com

 

 以前から対局中に疑わしい行動が他の棋士によって確認されていたようで、橋本崇載八段が以下のようなツイートをしている。

 

 三浦九段が実際に不正を行ったのかどうか、現在のところ確定した情報は得られていない。もしも不正を行ったのであればプロ棋界への信頼を大きく損なう重大な行為であり、処罰は免れ得ず、三浦九段本人にも明らかな咎があったといえるだろう。

 

何故このような問題が生まれたか

 しかし、疑惑が事実であるにせよそうでないにせよ、確かに言えることは、このような問題が発生し得た原因は、ソフトに対する運営側の後手に回った対応にもあるということである。

 将棋連盟は数日前に不正対策のための新施策に関する発表をしていたが、今回の疑惑に関連した議論の末に生まれたものであると予想される。

pinplot.hatenadiary.com

 

 コンピュータ将棋ソフトがトップクラスのプロ棋士に比肩し、上回る実力を持っているのは以前からわかっていた事実であり、その対策が求められていたのは誰の目にも明らかであった。

 棋士にプロとしての矜持があるのは確かであろうが、自身のキャリアに関わる大一番の対局において、結果を追い求めてソフトを使用したくなる誘惑に駆られてしまうのはある種当然ともいえる。

 そうであるならば、棋士にそのような気を起こさせず、不正が不可能な環境を構築しておくことは、プロ棋界を運営するものとして当然為すべき対策であっただろう。不正を行った者は当然罰せられるべきである。しかし、組織の運営に携わるものであれば、不正が起きえない環境をつくることが組織内の棋士を守るために必要であったのではないだろうか。 

 今将棋連盟に求めらていることは、ことをうやむやにせず事実をしっかりと明らかにし、関係者やファンに向けて説得力のある声明をだすことである。もしも今回の事件の詳細が語られず、内輪のみで処理するような姿勢がみられたならば、プロに対する信頼や期待は取り戻せないレベルにまで落ち込んでしまうであろう。

 長きにわたって少しずつ積み上げられてきた将棋という豊かな文化が、このような事件によって失われてしまわぬよう、将棋連盟には真摯な対応と適切な対策を期待したい。

 

-----2016年12月26日追記

 第三者委員会による調査の結果、三浦九段が不正を働いたと判断するに足る証拠はみつからなかったとの結論が下されました。

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