映画『マリアンヌ』夫婦の愛とマリアンヌが守ったもの - ネタバレと感想


f:id:yasukkokoko:20170210162249j:image

©2016 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

 本日2月10日より日本公開となった、映画『マリアンヌ』。戦時下という極限状態における夫婦の愛と絆がテーマとなっており、疑いの中で葛藤する夫婦をブラッド・ピットマリオン・コティヤールの二人が演じています。ネタバレなしのあらすじと感想はこちらから

ネタバレ

二人の出会い

    イギリスの諜報員としてモロッコでのドイツ大使暗殺の任を負うこととなった主人公のマックス(ブラッド・ピット)。任務上のパートナーとして、マリアンヌ(マリオン・コティヤール)という女性と偽装の夫婦生活を送ることとなる。当初は相手を遠ざけ距離を保とうとしていた二人であったが、任務を通して互いに強く惹かれ合い、ついに結ばれる。

    共に生存確率の薄い危険な任務に臨んだ二人は、無事大使暗殺を成し遂げ逃亡に成功する。正式な夫婦としてロンドンで共に生活を送ることを決めた二人の間には娘が生まれ、家族三人で不自由のない幸せな生活を送っていた。

妻マリアンヌにかけられた疑い

    しかし、ある日上司に呼び出されたマックスは、マリアンヌにスパイ容疑がかかっているという事実を告げられる。上層部はある女性がマックスしか知りえない情報をドイツに流していることを掴んでおり、その有力な容疑者として彼の妻マリアンヌに疑いの目が向けられたのである。これが事実であった場合、マックスはスパイである妻を殺害せねばならず、それを拒否した場合、彼も大逆罪として死刑に処されるという。

    愛する妻が身元を偽って自分を騙していたのかもしれないという可能性に激しく動揺するマックスであったが、妻の疑惑を晴らすため、おとり情報を流す任務に渋々協力する。妻の前でわざと重要に見える偽情報を流し、その情報がドイツに渡っているかどうかを確認するというものである。

    妻を信じたいマックスは、スパイ炙り出し任務の最中、独自にマリアンヌの素性を探ろうと行動する。そのなかで、本物のマリアンヌはかつてドイツ人将校の前でピアノを弾いたことがあるという情報を得る。マリアンヌが抱えている真実を見極めようと、彼女の元に戻り目の前でピアノを弾くよう要求するマックス。しかしマリアンヌは要求された曲を弾くことができなかった。

マリアンヌの告白と裏にあった真実

 彼女は自分がスパイであることを認めるが、娘と夫に対する愛は本物であり、スパイ活動は娘を人質にとられて渋々行わざるを得なかったと告白する。妻のマリアンヌがスパイであったという真実と、彼女に対する愛情、彼女が自分と娘に注いでくれている愛情のなかで苦しむマックスであったが、任務を捨て家族とともに歩むことを決断する。

    娘を連れて、軍の飛行機で密かに国外へ脱出しようとする二人であったが、あと一歩のところでマックスの上司に捕まってしまう。このままでは、スパイである自分を逃亡させようとした罪によって、自らのみならず夫も死罪は免れ得ない。夫だけでも助けたいと考えたマリアンヌは、夫と娘へ心からの愛を語ったのち、夫に娘を託し自害する。

    マリアンヌの犠牲によって反逆罪に問われることを免れたマックスは、かつて妻と語っていた農場を営む夢を実現し、彼女が守り抜いた娘と共に生きる道を選ぶ。

 

感想

雑感

    戦争によって引き裂かれてしまう家族の絆と、妻の家族に対する深い愛情をブラッド・ピットマリオン・コティヤールという二人の名優が熱演しています。妻マリアンヌの美しさが家族に降りかかる悲劇を引き立てていて、自らの死を予感したマリアンヌが娘へ宛てた手紙を読むシーンは、家族に対する深い愛情と諦念が痛切に感じられました。

f:id:yasukkokoko:20170210194321p:plain

©2016 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

マリアンヌが守りたかったもの

    マリアンヌが抱えていた秘密は夫の職務には反するものでありましたが、それは家族を守ろうとするがゆえに為さざるを得なかったことでした。戦時下という現代に生きる我々の感覚からはかけ離れた環境で、スパイとしての過去を抱えながら、何を優先すべきなのかを考えた末の結論が、夫を欺いてでも自らが罪を被るという道でした。

 対立する利害のなかにあって尚、強く確かな夫婦と家族の絆は強く心に突き刺さるものがあります。

原題:『Allied』にこめられた意味

    邦題は『マリアンヌ』となっていますが、原題は『Allied』(同類の、婚姻している、などの意)となっています。主人公のマックスが国と家族のために諜報員として働いているのと同様に、妻マリアンヌも家族を守るためにスパイとして生きているということを表現しているのかもしれません。為すことは違えども、誰かを守るために汚れ役を務めることを厭わず、その辛さを表に出さず力強く生きる二人の生き様は非常に美しく感じました。

 

現在上映中の他作品

『たかが世界の終わり』家族の絆って簡単に出来上がるものじゃないですよね(ネタバレあり)

『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』ご都合主義とキャラ萌えの彼方(ネタバレあり)

『沈黙-サイレンス-』神の沈黙は人に何を語るのか(ネタバレあり)

『マグニフィセント・セブン』豪華な俳優陣が王道ド真ん中の爽快アクションで魅せる(ネタバレなし)