『ベター・コール・ソウル』シーズン3第8話「転倒」ネタバレと感想

 弁護士としての収入が無くなってしまったことにより、行き詰まるジミー。奉仕活動の監督者を口八丁で騙したり、CM制作費の支払いを渋る楽器屋のオーナーから、事故を演出し高価な楽器をせしめるなど、かつて「滑りのジミー」と呼ばれていたころに再び近づいていく。弁護士として経験を積んだことにより、むしろその手口は巧妙化し、法を侵さない範囲で相手を騙すようになっている様子。

 キムに引け目を感じたくないがために何とか金を工面していますが、なかなか上手くいかず弱音が漏れ始めます。キムの仕事は順調に進んでいますが、チャックを気遣ってか、既に多忙なところに新たな案件を抱え込みます。

 

 チャックは裁判における一連の事件を通して、電磁波過敏症が自分の思い込みなのではないかと考え始める。医師とともに病気克服のための訓練を始めるようになり、一人で外出し、買い物もある程度こなせるまでになる。病気を克服し、弁護士として復帰することを目標とする彼だったが、医師からは焦らないよう忠告される。

 いよいよ電磁波過敏が精神的なものだと認めるようになったチャックですが、それは皮肉にも、ジミーがチャックを陥れようとした策略のなかで、ポケットに長時間電池を入れられていたことに気付かなかった、という事実からくるものです。裁判によって完全に決裂してしまった兄弟仲ですが、チャックの病気の回復は、彼が嫌っている弟のジミーによってもたらされているという点は、彼にとっては認めがたいものかもしれません。

 

 一方、ナチョは調達屋から仕入れた薬のカプセルを用いて、ヘクターの薬のすり替えを実行する。入念な準備と予行演習ののちに、すり替えに成功するが、これがどのような結末をもたらすのか。すり替えを行う際の手の震え、緊張感。ナチョを演じる俳優の演技力は鬼気迫るものがありました。

 本編の冒頭でヘクターは障害を負うことが明らかになっていますが、これがナチョの計画の成功によるものなのか、はたまたヘクターの暴走を抑えたいガスの手によるものなのかは、まだ分かりません。

 また、『Breaking Bad』本編ではナチョは登場していませんが、彼の身に一体何が起こるのかが気になるところ。父の経営する店があることを考えると、一人で逃げ出すことはできないはず。よって、ヘクター殺害計画がバレて始末されるか、ガスに何らかの形で利用される可能性もあります。

 カルテルの人員は抑えがきかなかったり、理不尽な要求を突きつけてくる人物が多いなかで、ナチョはわりとまともに話のできる人間です。もちろん犯罪組織のメンバーには違いないのですが、根っからの悪人とは言い難い面もあります。シリーズ内での人気も高いと思われる彼ですが、あまり良い結末を迎えるとは思えないのが辛いところです。

 

 一方、マイクは裏稼業で得た資金を孫たちが受け取れるよう、ガスに資金洗浄の依頼を持ちかける。ガスは協力することに合意し、二人は握手を交わす。

 

 徐々に本編での人間関係に近づいてきており、『ベター・コール・ソウル』シリーズの終わりが近いことを感じさせます。シーズン3は残すところ2話、現在のところシーズン4に関する発表はないようですが、人気を考えるとさらに延長される可能性は高いと考えられます。ただ、『Breaking Bad』本編も人気の絶頂のなかで終了していますし、製作者のなかにはシリーズをだらだら続けることに否定的な意見を持っている方もいる様子。

Better Call Saul Co-Creator on The Series' End

 あと2話でストーリーに決着をつけるのか、次シーズンで完結するのかが非常に気になるところです。あと2話で全てケリをつけるのは難しいようにも思えますが、『Breaking Bad』 の最終回のエピソードを観ても同じことは言えそうなので、あんまり当てになりませんね。