『ベター・コール・ソウル』シーズン3第9話「転落」ネタバレと感想

 薬のすり替えに成功したナチョはヘクターが早く発作で倒れるのを待ちますが、それより先に父親の会社にヘクターが乗り込んでくる可能性が高いという状況に陥ってしまう。ナチョは父親に対し、自分が未だヘクターの下で働いていることを告白し、彼から運び屋の仕事を依頼されても反抗しないように頼みます。

 

 

 一方ジミーは、老人養護施設のサンド・パイパーのクライアントに接触し、その案件がクローズした場合の自身の報酬が相当な金額であることを知る。しかし、案件を引き継いだHHMは訴訟金額を引き上げるために交渉を長引かせようとしている。資金繰りの苦しいジミーは一件を案じ、原告団代表の老人を友人たちから孤立させた上で、施設側とすぐに和解に応じれば、友人たちとの関係を修復できると唆す。

 

 自分を信頼してくれていた元クライアントを騙すという行為に走ってしまったジミーは、いよいよ小悪党としての一線を越えてしまった感があります。これまでの騙しの相手は、あくまで自分と敵対してきた人間や、騙されても仕方のないような欲深い人間たちでした。しかし、今回のジミーのやり口は非常に悪どく、ある意味「ソウル・グッドマン」の名にふさわしいものかもしれません。

 悪党でありながらも、堅気の父親だけは巻き込みたくないというポリシーを持っているナチョと、自分の利益のために周囲の無害な人間の足を引っ張るジミーという構図は、今回のエピソードでは非常に対照的です。

 

 

 賠償に関する説明会の時間が迫る中、徹夜で作業を行っていたキムは自動車事故を起こしてしまい、重傷を負う。一人では捌ききれない量の仕事を抱えてしまったことにより、重大なミスを犯してしまう。能力・実績ともに優秀な彼女ではありますが、ジミーへの気遣いと責任を背負い込んでしまいがちな性質が、今回は祟ってしまう結果になりました。

 今回の石油会社の案件はメサ・ヴェルデのクライアントからの紹介であり、ここでの失敗は、クライアントの顔に泥を塗ることに繋がってしまいます。これがメサ・ヴェルデ案件にも影響してしまった場合、オフィスの維持費用は、ジミーがサンド・パイパー案件の報酬から得た金に依存することになってしまう可能性もあります。

 それは、憎めないお調子者のジミーとしっかり者でプライドの高いキムという立場に変化が生じてしまうことを意味しており、二人の関係性そのものにも影響を及ぼしかねません。

 元々、キムが石油会社の案件を無理に引き受けたのは、ジミーの資金繰りが厳しいことを勘案した結果だと思われます。二人の事務所のためによかれと思って受けた案件が、皮肉にも不幸な結果をもたらしてしまうという状況は、責任感のあるキムにとっては耐え難いものでしょう。

 

 シーズン3も第9話まで放映され、いよいよ次回がシーズン3の最終回になります。ナチョと彼の周囲の人間がどのような結末を迎えるのか、キムとジミーの関係はどのようにして終わってしまうのか、といった点に注目が集まります。